西宮の知られざる狩野派絵師、再評価

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西宮の知られざる狩野派絵師、再評価

2017.4.10 19:00

江戸時代半ばの18世紀に、西宮を拠点に活躍した絵師、勝部如春斎(1721〜1784/享保六〜天明四)。その画業を美術館で初めて紹介する『西宮の狩野派 勝部如春斎』が、「西宮市大谷記念美術館」(兵庫県西宮市)でおこなわれています。

《秋草に鶴図》1764年(明和元)~1768年(天明四) 養照寺画像一覧

展覧会の見どころはいくつかありますが、まず注目すべきは最初の展示室です。そこには、「松桜に孔雀図」「松楓に孔雀図」「花鳥図」「秋草に鶴図」という、吉祥のモチーフを描いた襖絵や、屏風の「四季草花図/芦雁図」「牡丹図」が並んでいます。それらの魅力は、大きさもさることながら、端正な画風でしょう。穏健、繊細、上品。それが如春斎を語るうえでのキーワードです。

《十八天図》1763年(宝暦十三)頃 茂松寺
《十八天図》1763年(宝暦十三)頃 茂松寺画像一覧

一方、2階展示室で注目すべきは「三十三観音図」や「十八天図」などの仏画、人物画です。彼の人物表現にはふくよかさと親しみやすさがあり、1階の作品とは別の魅力が感じられます。特に「三十三観音図」は、亡妻の追善のために京・東福寺に伝わる明兆の作品を模写したものであり、如春斎の人間味が伝わる逸品です。ほかには、ユーモラスな風情の「龍虎図」、幾つもの画中画が登場する「小袖屏風虫干図」も見応えがあり、最後の展示室に設けられた同時代の摂津の絵師たちを紹介するコーナーも興味深いものがあります。

本展は誰もが知る巨匠の名作展ではありませんが、むしろそれゆえに、新鮮な発見や感動に事欠きません。地元の優れた才能を明らかにしており、美術館の実力を知るうえでも重要と言えます。

文/小吹隆文(美術ライター)

『西宮の狩野派 勝部如春斎 18世紀摂津の画人列伝』

期間:2017年4月1日(土)〜5月7日(日) 
時間:10:00〜17:00 ※入館は16:30まで 水曜休 ※5/3は開館、4/20より展示替えあり
会場:西宮市大谷記念美術館(西宮市中浜町4-38)
料金:一般800円、大高生600円、中小生400円
電話:0798-33-0164
※会期中に関連イベントあり。詳しくは公式サイトにて
URL:http://otanimuseum.jp/home/

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